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物流DXの推進事例8選!必要性や目的を徹底解説

物流DXの推進事例8選!必要性や目的を徹底解説

物流業界では、深刻化する人手不足に加え、EC市場の拡大や顧客ニーズの多様化を背景に、従来の業務運営だけでは対応が難しくなっています。こうした課題に対応する手段として、いま注目されているのが物流DXです。

本記事では、物流DXの基本的な考え方や求められる背景を整理したうえで、国内企業による導入事例を8つ紹介します。あわせて、物流DXの主なメリットや、導入を進める際のポイントも解説します。

物流現場の改善や業務改革を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

物流DXとは?

物流DXとは?

物流DXとは、デジタル技術の活用によって物流業務の効率化を進めるとともに、業務プロセスや物流サービスそのものを変革し、事業全体の競争力向上につなげる取り組みです。

具体的には、AI・IoT・ロボティクスなどを活用し、倉庫業務の自動化・配送計画の最適化・物流情報の可視化・一元管理などを進めます。

人手不足や需要変動への対応が求められるなか、物流DXは持続可能な物流体制を構築するうえで欠かせない施策となっています。

出典:2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_tk1_000180.html

そもそもDXの定義とは?

経済産業省の「デジタルガバナンス・コード3.0」では、DXをデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、業務・組織・企業文化まで見直すことで、競争優位を確立する取り組みと定義しています。

つまりDXとは、単なるデジタル化(紙をデータへ置き換えるなど)ではなく、ビジネスモデルそのものを変革し、新たな競争優位を生み出すことを指します。物流業界においても、この本質的な変革こそが求められているのです。

出典:デジタルガバナンス・コード3.0(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc3.0.pdf

関連リンク:https://www.bluetec.co.jp/discus/column/dx-communication/

物流DXが求められる背景

物流DXが求められる背景

物流DXが急速に注目を集めている背景には、構造的な課題が複合的に重なっています。ここでは、物流DXが求められる代表的な背景を2つ解説します。

深刻化する労働力不足と「2024年問題」

物流業界では、少子高齢化によるドライバーや倉庫作業員の慢性的な不足が続いています。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によれば、運輸業・郵便業の欠員率は全産業平均を上回っており、人材確保が経営上の最重要課題となっています。

さらに2024年4月から施行された「働き方改革関連法」により、トラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限規制が適用されました(いわゆる「2024年問題」)。これにより輸送能力の低下が懸念されており、デジタル技術による業務効率化・省人化が急務となっています。

EC市場の拡大と小口・多頻度配送ニーズの増大

インターネット通販(EC)市場の急拡大に伴い、宅配便の取扱量が急増しています。

IPAの資料によれば、EC市場規模は2018年時点で約18兆円に達し、宅配便取扱量は5年間で約6.7億個も増加しました。加えて、顧客ニーズの多様化により「時間帯指定」「当日配送」「再配達」などへの対応が求められており、配送の複雑化・小口化・多頻度化が進んでいます。

従来の人手に頼る業務では限界があり、AIやロボティクスを活用した物流プロセスの抜本的な見直しが不可欠となっています。

物流DXの推進事例

物流DXの推進事例

実際に物流DXを推進している企業事例に加え、現場で広がっている代表的な取り組みも含めて8つ紹介します。ぜひ、自社への導入を検討する際の参考にしてください。

事例①:SGホールディングス|ロボットソーター導入による仕分け業務の自動化

SGホールディングスグループの佐川グローバルロジスティクスは、東松山SRCに次世代型ロボットソーター「t-Sort」とRFIDシステムを導入し、仕分け業務の自動化を進めました。

従来は人手中心で行っていた仕分け工程を見直し、繁閑に応じてロボット台数を調整できる体制を整えたことで、現場の波動に対応しやすいオペレーションを実現しています。

この取り組みによってヒューマンエラーによる誤発送を撲滅し、仕分け作業にかかる人員を27%削減しました。さらに、出荷作業の生産性は1.32倍、返品作業の生産性は4.43倍に向上しており、省人化だけでなく処理能力の向上にもつながっています。

この事例は、物流DXが単なる省力化にとどまらず、作業品質の安定化・生産性向上・人員再配置による現場全体の最適化にまで効果が及ぶことを示しています。

人手不足が慢性化する物流業界において、定型業務を自動化し、人がより付加価値の高い業務へ移れる体制をつくるうえで、参考になる先進事例といえるでしょう。

事例②:ヤマトホールディングス|「EAZY」で受取体験を抜本的に変革

ヤマト運輸は、EC向け配送商品「EAZY」により、受取方法の多様化と再配達削減の両立を進めています。

対面での受け取りに加え、玄関ドア前や宅配ボックスなどにも対応し、配達直前まで受取方法を変更できる仕組みを整備しました。これにより、利用者は都合に合わせて受け取りやすくなり、配送側にとっても再配達の抑制につながります。

実際に、導入事例では再配達や返品が約2分の1に減少したケースも紹介されています。この取り組みは、物流DXが単なる現場の省力化にとどまらず、顧客接点そのものを見直すことで、配送品質と業務効率の向上を実現できることを示す好例です。

再配達率は2023年10月時点で約11.1%とされており、物流の2024年問題への対応でも再配達削減は重要なテーマとなっています。そうしたなかでEAZYは、受取方法の柔軟化を通じて、ラストワンマイルの負荷軽減に取り組む代表的な事例といえるでしょう。

事例③:ロジスティード|AIとIoTを活用した安全運行管理の高度化

ロジスティードグループは、輸送デジタルプラットフォーム「SSCV」のひとつとして、安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」を提供しています。

ドライバーの体調データや運行情報、ドライブレコーダーの記録などを収集し、AIで分析することで、事故につながるリスクを早い段階で把握できる体制を整えました。

この仕組みの特徴は、事故が起きた後の対応ではなく、事故の兆候を事前に捉えて予防につなげる点にあります。疲労やストレスを可視化し、漫然運転のリスクが高まった場面では管理者へ通知が届くため、現場での安全管理をより実践的に進めやすくなっています。加えて、2024年には国土交通省の過労運転防止に資する機器として認定されました。

安全確保だけでなく、法令対応の強化にもつながる取り組みとして評価できる事例です。

事例④:日本郵船|AIで船舶の最適航行スケジュールを自動策定

日本郵船は自動車専用船を対象に、AIを活用した「運航スケジュール策定支援システム」の開発を進めています。

日本郵船・MTI・グリッドの3社は、配船計画に関するノウハウと船舶運航シミュレーション、AI技術を組み合わせ、配船計画の最適化モデルを構築してきました。

2025年の発表では、数か月先までを見据えた最大数百万通りの配船案を約10分で試算できるとされており、船舶の稼働率・輸送効率・輸送コストの最適化につなげています。

この事例は、物流DXが海運分野にも広がり、複雑な計画業務の高度化や属人化の抑制に役立つことを示しています。

事例⑤:ヒサノ|配車管理システムのクラウド化で属人化を解消

ヒサノは、紙の「横便箋」で管理していた配車業務を見直し、受注情報をもとに配車できるクラウド型の「横便箋システム」を構築しました。

従来は担当者の経験や勘に依存していた業務をデジタル化したことで、配車の迅速化と情報共有の円滑化を実現しています。あわせて、人員や車両の配分最適化、本社と拠点間の連携強化にもつながりました。

IPAの事例でも、属人化防止に寄与した取り組みとして紹介されています。

この事例は、物流DXが大規模な自動化設備の導入だけを指すものではないことを示す好例です。中小物流企業でも、紙や暗黙知に依存した業務を標準化・共有化することで、引き継ぎや業務継続性の向上を図れます。

事例⑥:自動搬送ロボット導入による倉庫内の省人化

物流企業や製造業の倉庫では、AGVやAMRといった自動搬送ロボットの導入が進んでいます。

これまで主流だったAGVは、磁気テープなどで決められたルートを走行する仕組みが一般的でした。これに対してAMRは、地図情報や周囲の環境をリアルタイムで認識しながら、自らルートを判断して走行できます。

ガイドラインやレールの設置が不要なぶん、倉庫レイアウトの変更にも対応しやすく、導入や運用にかかる負担を抑えやすい点も強みです。

ピッキング作業や搬送業務の自動化が進むことで、生産性の向上に加え、人的ミスの削減も期待できます。省人化と業務品質の両立を図る手段として、注目を集めている取り組みです。

事例⑦:AI・IoTを活用した配送ルート最適化の取り組み

配送先や時間指定、交通状況、ドライバーの稼働状況などをAIがリアルタイムで分析し、最適な配送ルートを提示するシステムの導入が進んでいます。

従来は担当者が経験をもとに手動で作成していた配送計画をAIが代替することで、燃料使用量の削減・ドライバーの走行距離短縮・労働時間の圧縮を実現します。

配送効率の改善は直接的なコスト削減につながるため、物流DXにおける投資対効果が高い取り組みのひとつです。

事例⑧:物流管理システムの一元化によるデータ活用の高度化

受注・在庫・配送・請求などを個別に管理していたシステムを連携・統合し、データを一元管理する取り組みも広がっています。

システム同士をつなぐことで、一か所で入力・修正した情報を全体へ反映しやすくなり、二重入力や転記ミスの削減につながります。部門ごとに分かれていた情報も共有しやすくなり、業務全体の流れを整えやすくなる点も特徴です。

また、在庫状況や配送状況をリアルタイムで把握できるようになれば、意思決定の迅速化や顧客対応の精度向上も期待できます。

物流DXを進めるうえで、業務全体のデジタル基盤を整える第一歩として有効な取り組みといえるでしょう。

物流DXを推進するメリット

物流DXを推進するメリット

物流DXを推進することで、企業は現場の負担軽減だけでなく、業務品質や生産性の向上といった幅広い効果を期待できます。ここでは、物流DXによって得られる主なメリットを3つ紹介します。

メリット①:業務効率化とコスト削減

物流DXの大きなメリットのひとつは、日々の業務を効率化し、コストを抑えやすくなる点です。AIやロボット、自動化システムを導入することで、これまで現場担当者が手作業で行っていた繰り返し業務を効率化できます。

配送ルートの見直しによる移動の最適化や、在庫管理の自動化・書類業務のペーパーレス化などを進めれば、日々の作業負担を軽減しながら運営コストの削減も図れます。

加えて、限られた人員を企画・営業・顧客対応といったより重要な業務に充てやすくなるため、事業全体の生産性向上にもつながるでしょう。

メリット②:人的ミスの削減と品質向上

手作業による入力や仕分け、管理業務には、ヒューマンエラーがつきものです。DXによって業務を自動化・システム化すれば、誤配送や誤出荷、入力ミスなどの発生を抑えやすくなります。

作業品質が安定すれば、顧客満足度の向上やクレーム対応負担の軽減も期待できます。さらに、データに基づいて品質を管理・改善しやすくなる点も、見逃せないメリットです。

メリット③:人手不足の解消と労働環境の改善

物流業界では、慢性的な人手不足への対応が大きな課題となっています。そのため、少人数でも現場を回しやすい体制づくりが重要です。

重労働・単純作業をロボットが代替することで、従業員の身体的負担が軽減され、働きやすい職場環境の整備につながります。労働環境の改善は採用力の向上や離職率の低下にも寄与し、慢性的な人手不足問題の解決に貢献します。

持続可能な物流オペレーションの実現に向けて、DX推進は欠かせない経営戦略です。

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ユーザー数無制限の料金体系も、導入を検討しやすいポイントです。現場のDX推進とあわせて営業力の強化も図りたい場合は、『Knowledge Suite』の活用を検討してみてください。

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まとめ

まとめ

本記事では、物流DXの定義・背景・推進事例8選・メリットを解説しました。

人手不足や2024年問題、EC需要の拡大といった構造的課題を乗り越えるためには、AI・ロボット・クラウドなどのデジタル技術を活用した業務変革が不可欠です。先進企業の事例を参考にしながら、自社の課題に合った物流DXの進め方を検討してみてください。

営業活動の効率化まで視野に入れるなら、『Knowledge Suite』の活用も選択肢のひとつです。

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【執筆者】

執筆者:松岡 禄大朗

松岡 禄大朗

ブルーテック株式会社・デマンドジェネレーション部所属。
前職のWEB広告代理店で広告運用やアクセス解析を担当。
WEBマーケティング知識を活かして、現在はコンテンツマーケティングに携わり数多くの記事を執筆。

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