大分ベスト不動産株式会社 大分ベスト不動産株式会社
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センチュリー21の加盟店として、大分市を拠点に地域に根ざした総合不動産事業を展開する、大分ベスト不動産株式会社。各部署で発生していた「物件情報の入力」をはじめとする定型業務の多さに課題を抱えていた同社が選んだのは、ノーコードで手軽に扱えるRPA『おじどうさん』でした。「専任のIT担当者がいない」「業務と兼務しながら進めなければならない」という中小企業ならではのハードルを、いかにして乗り越えたのか。同社が重視したツール選びの軸と、無理なく成果を出し続ける自動化のステップについて、広報企画課の永野様に伺いました。

導入目的

  • ・各部署で発生していた物件情報入力などの手作業を自動化する。
  • ・専任者を置けない体制でも無理なく続けられる形で、定型業務の自動化に着手する。

課題

  • ・建設・不動産・経理総務など複数の部署が、同じような物件情報をそれぞれ入力していた。
  • ・ポータルサイトの反響データを毎月手作業で集計・転記しており、入力と確認で同じ作業が二重に発生していた。
  • ・RPAに専任者を割ける体制がなく、学習にかかる時間や月額費用を回収できるかが見えなかった。

導入効果

  • ・ポータルサイトの反響集計にかけていた月70時間ほどの作業がなくなり、入力・確認の二重作業も減って、時間だけでなく精度も向上した。
  • ・業務システム間のデータ連携を毎日実行できるようになり、社内データの鮮度が上がった。
  • ・「業務は自動化できる」という発想が現場に広がり、スタッフ側から自動化の相談が上がってくるようになった。

運用方法

  • ・広報企画課の2名でシナリオを作成・運用。
  • ・1つの業務を2〜3本のシナリオに分割し、実行日をずらしてスケジュール設定。人のチェック工程のためのバッファを確保している。
  • ・不明点はメールとビデオ会議でサポート担当に相談。定期的な状況確認の機会も活用している。

部署をまたいで、
同じ物件情報を何度も入力していた

RPAのようなツールを探し始めたきっかけと、当時の業務上の課題を教えてください。
永野様 もともとの課題として、当社には複数の事業や部署がある中で、どの現場にも多くの定型業務が存在していました。普段は事務スタッフやパートスタッフがそうした作業を担っているのですが、不動産の仕事というのは、あらゆる業務が物件の情報ありきで進んでいくんですね。結果として、同じ物件のデータを各部署がそれぞれ別々のタイミングで手入力しているという無駄な状況が頻発していました。

まずはそこを一本化し、さらに自動化できないかと考えたのがスタートでした。

IT担当としてRPAの有用性は知っていたため、2024年頃から「何か良いものはないか」と探し始めました。そんな折、以前から名刺管理(Knowledge Suite)でお付き合いのあったブルーテックさんからタイミングよくご連絡をいただき、『おじどうさん』をご提案いただいたという経緯です。

「何ができるか」ではなく「無理なく続けられるか」で選んだ

他ツールとの比較検討はされましたか。
永野様 はい、結構しましたね。業界で「RPAといえばこれ」と言われるような非常に有名なツールも含めて、3〜4社ほどお話をお聞きしました。各社のデモ画面を見せていただいたり、ご提案資料をいただいたりはしましたが、どれも当社の体制や予算規模で月額費用を払い続けるのは少し難しいと感じました。そうして複数のツールを比較していく中で、最後にお話を聞いたのが『おじどうさん』でした。
その中でおじどうさんを選ばれたポイントは、どこにありましたか。
永野様 選定にあたって重視していたポイントは「操作性」と「費用面」の2点です。

1つ目の操作性については、「とにかくシンプルであること」を求めました。私自身ノーコードツールくらいしか触った経験がなかったので、難しいプログラミングなしで簡単に扱えるものがよかったんです。

2つ目の費用面は、社内の運用体制とも直結しています。当社ではRPA専任の人員を置くことができず、導入や運用に多くの時間・コストを割けません。そのため、月額費用が高額だと投資対効果を回収しにくくなってしまいます。

「難しい機能は不要なので、費用をできる限り抑えられ、誰でも簡単に扱えるツール」をずっと探していたのですが、その条件にまさにバチッと当てはまったのが『おじどうさん』でした。

物件情報を集めるところから、売主様への報告書まで

現在、どのような業務でおじどうさんを使われていますか。
永野様 当初の狙い通り、物件情報にまつわる手作業を無くすことをメインに据えて、現在もシナリオを増やし続けています。

中でも一番大きな効果が出ているのが、売主様へお送りする「月次報告書のデータ集計」の業務です。お預かりした物件をSUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトへ掲載すると、売主様へ報告するために「PV数」や「問い合わせ件数」といった反響データを毎月集計しなければなりません。ただ、ポータルサイトは他社システムですから、当社が希望する報告フォーマット通りにデータを出力してはくれないんですね。そのため、媒体ごとに出力される膨大なCSVデータから必要な数字だけを拾い出し、一つひとつ手作業で合算・転記するという大変な工程を事務スタッフが行っていました。

この一連の集計・転記作業を自動化したシナリオが、現時点で最も時間削減効果が大きく、現場で関わるスタッフの負担軽減や精神的なゆとりにも大きく貢献しています。
ほかには、どのような業務を任せていますか。
永野様 1つはデータベースへの入力作業ですね。当社ではkintoneを社内のデータベースのように使っていて、建設部門、不動産部門、経理総務部門と、全社的にデータを入れています。部署をまたいで、様々なやり方で情報を入力しているので、「ここは他のサイトの数字を持ってきているだけだから自動化できるね」という部分を切り出して任せています。

もう1つが、賃貸管理システムとkintoneのデータ連携です。物件に紐づく家賃を管理しているツールがあるんですが、機密性の高い情報を扱う関係で、API連携ができない部分があるんですね。そこをRPAでCSVに書き出して、kintoneに取り込んでいます。

一見単純な作業なんですけど、APIで自動化できない以上、これまでは人が一定の周期で手を動かすしかなかった。例えば、kintone側の情報が1週間前のものだった場合、情報が古いので元のシステムを確認しに行かないといけません。RPAならスケジュール実行で毎日自動更新できるので、単に楽になっただけじゃなくて、情報の更新頻度そのものを上げられたんです。ここは本当に助かっています。

集計にかけていた月70時間と、現場の見方の変化

自動化される前は、その集計にどれくらいの業務量がかかっていたのでしょうか。
永野様 月次で100〜150件以上ある物件について、アットホームのサイトを開き、SUUMOも開いて、それぞれの情報を手作業でExcelに転記していく。この作業を事務スタッフ3〜4名が毎月手分けして行っておりました。担当スタッフに聞いたところ、月70時間ほどかかっていたそうです。それが今ではほとんどなくなりました。

それに、減ったのは時間だけじゃないんですよ。手作業だと入力する人と確認する人がいて、確認する側も同じ画面を開いて「ここは10だから合っているな」と目視で追っていく二重の手間がありました。今は最初から整理されたCSVが手元にあるのでチェックもしやすく、時間短縮だけでなく作業の精度も上がっています。
業務効率以外に、スタッフの働き方に変化はありましたか。
永野様 この報告書の業務には、集計する人のほかにも、できあがったレポートを送る人、それを元に売主様とお話をする人と、いろんなスタッフが関わっています。その業務が1つ自動化されたことで、「RPAって結構便利なんだ」という認識が社内に一気に広がりました。担当していたスタッフからも「楽になった」という反応がありましたね。

一番の変化は、そこから「業務って自動化できるんだ」というブレイクスルーが起きたスタッフが結構いたことです。そうなると、普段自分がやっている業務の見え方が、現場一人ひとりのレベルで変わってくるんですよね。

「毎日やっているこの作業、意外と自動化できるんじゃないか、楽にできるんじゃないか」と、それぞれが考えるようになってきた実感があります。

その手段がRPAのこともあれば、最近だとAIのこともある。いずれにせよ、そういうマインドを持てるようになったのはRPA導入が大きかったなと、個人的には思っています。現場がその観点を持ってくれていると、今進めているAI推進もやりやすいですし、他のツールを入れるときもやりやすい。それが『おじどうさん』をきっかけに生まれたのは嬉しいですね。

シナリオは、あえて2つ3つに分けて作る

シナリオはどのような体制で作られ、作成時にはどのような工夫をされていますか。
永野様 私と、もう一人のスタッフとの2名体制です。2人で「今度はこういうものを自動化したいね」と相談しながら進めています。

工夫としては、1つのシナリオをあえて2つ3つに分けて作るようにしていますね。やりたいことは1つなんですけど、処理を分けたうえでバッファを持たせて、スケジュールを組んで実行させています。

というのも、RPAが動いた後に人がチェックする工程が、業務上どうしても必要なんです。それに、シナリオ構築の初期段階はどうしてもエラーが起きるもので、安定して回るまでにバージョン1、バージョン2と何度も作り変えることになる。その時に修正しやすい単位にしておきたいんですね。あとは2名体制ならではで、どちらかが分からなくなって相談し合うとき、シナリオが長いと確認するだけで大変になってしまう。分割しておけば修正も入れやすいし、聞きやすいし、うまくいっている/いっていないの分析もしやすいんです。

実装の進め方も同じ考え方です。「まずはこの段階の集計、このコピペ作業だけを自動化しましょう」と切り出して、その後のレポート作成は今月はまだ人にやってもらう。翌月以降にその先を自動化していく。作る側の都合ではあるんですけど、細かく切って少しずつ実装していくやり方をしています。

担当者の精神的なコストがないことが
おじどうさん最大の魅力

おじどうさんを評価する上で、特に良いと感じるポイントを教えてください。
永野様 「操作性」と「サポート」の2点ですね。

まず操作性ですが、他のRPAを触ったことがないので比較はできないものの、当初のイメージ通り「思ったより自分たちでつまずかなかった」というのが率直なところです。通常業務をしながらシナリオ構築に時間を割くのは、兼務の課題としてどうしてもありますよね。そこに引っかかってしまうと苦手意識がついて、絶対に触らなくなってしまうじゃないですか。その最初のつまずきがなかったのはすごく大きかったです。

そしてもう1つ、何か困ったことがあったときのブルーテックさんのサポートが本当に心強くて。何かあればメールですぐに回答をいただけますし、定期的に「困っていることはないですか」とお声がけいただいて、ビデオ会議で実際の画面を共有しながら一緒に解決してもらうこともあります。

それに『おじどうさん』の使い方にとどまらず、ショートカットキーの使い方や「ExcelやGoogleシートにこういう便利な機能がありますよ」といったことまで教えてくださるんです。製品の枠を越えて勉強になりますし、純粋にやり取りが楽しいですね。

つまり、『おじどうさん』は「そもそも自分たちであまりつまずかない」ことと、「万一つまずいてもすぐに答えが返ってくる」こと。この二軸があるから、今もストレスなくずっと使い続けられているんだと思います。そこがやっぱり一番おすすめできるところですね。

より高機能なツールなら、もっと広い範囲の業務をカバーできるのかもしれません。ただ、自分たちの業務にはそこまで必要なかった。中小企業で専任者もおらず、「まずは簡単なところから始めよう」という段階だと、「何ができるか」という機能面よりも、維持費だったり、「勉強しなきゃ・時間を取らなきゃ」という精神的なコストのほうが重くのしかかってくるじゃないですか。その負担がほとんどないというのが、結局『おじどうさん』の一番の魅力なんだろうなと思います。

つまずいたのは、認証周りと「現場の声の拾い方」

RPAの活用で苦労されたポイントはありますか。
永野様 Googleサービスとの連携・認証周りですね。当社はローカルに保存しているファイルと、Googleドライブなどクラウド上に置いているデータが同じくらいの物量があって、特に導入当時は整理ができていなかったんです。

ローカル側はエクスプローラーのファイルパスで割と参照しやすいんですけど、ドライブ側はGoogleアカウントの権限の話とかが絡んできて、いろいろ難しかったんですよね。最終的には教えていただいて解決しましたが、そこは時間がかかってしまいました。RPAにはローカルファイルしか扱えないツールもあると聞いていたので、クラウド上のデータも扱えるという時点で十分ではあるんですけど、単純に自分の知識不足もあって、設定には苦労しました。
運用面で、現在も課題に感じられていることはありますか。
永野様 これは当社側の話なんですけど、現場の声をどう拾うかというのが組織的な課題で、今も取り組んでいるところです。

RPAで自動化できるような定型作業を、現場のスタッフは当たり前のこととしてこなしていて、「これは私の仕事」になっているんですね。でも私たちがそれを認知さえすれば「それ、自動化できますよ」と言える業務が結構あるんです。私たちがそれを知る機会も、現場がRPAで自動化できると知る機会もないので、本当はもっと効率化できるのにできていない部分が、今もあるだろうなと思っています。

ただ、導入をきっかけに糸口が見えてきた部分でもあって、導入時に「こういうツールを入れました」と全社に周知したんですよ。そのうえで「普段の業務で自動化できそうなものがあったら言ってください」という時間をたまに取るようにしていて、そうすると「これはできませんか」と現場からの相談が上がってくるようになりました。導入当時は自分たちから探しに行っていたんですけど、今は現場からもらうほうが多いくらいです。

お客様の価値として届くIT推進を目指して

今後の展望をお聞かせください。
永野様 RPAに限らず、自分がIT推進をするうえでテーマにしているのが、「自動化」と「標準化」の二軸なんです。自動化は、単純に業務時間や工数を減らしましょうという話ですよね。一方で、どこの企業でも課題になりやすいのが標準化のほうだと思っています。全員が同じクオリティで業務をこなせる体制を作るのは、実は難しい。そして、それがないと自動化も進まないんです。

その点、RPAは両方いけるんですよね。シナリオに落とし込む過程で自然と標準化されていく。自分の考え方が間違っていなかったという答え合わせにもなりましたし、今後も続けていきたいと思っています。

AIの場合は、使う人のリテラシーで成果物の質が変わってくるので、標準化からはどうしても遠ざかりやすい印象があります。だからこそ、AIとうまく共存して補完し合えるのがRPAだなと。AIとRPAの二軸で、標準化と自動化を進めていきたいですね。

その先に見ているのは、お客様の価値として届くIT推進です。社内の業務時間が減って、それで終わりだともったいないなと思っていて。生まれた時間は、今度はお客様のために使いたいですし、報告書にしても、自動で作れるようになるだけじゃなくて、RPAが作ることで売主様にとってもっと見やすいものになる、といった形にしていきたい。現状は社内向けにとどまっている自動化・標準化を、お客様の満足度が上がる方向につなげていくのが今後の目標です。

大切なのは「導入における軸」を持つこと

これからRPAの導入を検討される企業に向けて、アドバイスをお願いします。
永野様 自分としては、最初に「コスト」と「操作性」を大事にして本当に良かったな、というのが正直な実感です。

「コスト」と「操作性」って、言い換えれば「無理なく続けられるかどうか」なんです。RPAは、導入した最初の1ヶ月と、5年10年使った後の1ヶ月とでは、コストは同じでも、そこまでに組んできたシナリオの質と数が違うので、絶対に効果が変わってきます。そこまで見据えて導入するのがすごく大事だなと思いました。

ただ当社の場合は、たまたま基準がそこにあっただけなんですよね。そのため、他社様の場合は「自社はここを大事にする」という軸を長期的な視点でしっかりと持っておくことが大切だと思います。それができれば、どんなITツールでも失敗しにくいんじゃないでしょうか。
本日はありがとうございました。
永野様 ありがとうございました。

大分ベスト不動産株式会社|導入事例

  • 社名
    大分ベスト不動産株式会社
    事業内容
    賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介などの不動産事業、新築・リフォームなどの建設事業
    設立
    2009年
    従業員数
    72名

※掲載内容は取材当時のものです。(2026年8月時点)

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