リスケとは何?意味や言い換え、基本的なマナーを徹底解説
リスケは「予定の再調整」を丁寧に伝え、相手と合意を取り直すための行為です。ドタキャンや単なる保留とは目的も温度感も異なり、使い方を誤ると信頼を損ねます。
そこで本記事では、リスケの正しい意味や適切な言い換え・シーン別の例文、そして押さえておきたい基本マナーを体系的に解説します。ビジネスシーンで迷わず対応するための実務上のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リスケとは

「リスケ」は英語 reschedule(再びスケジュールを組む)の略で、会議や打ち合わせ、納期など確定済みの予定を変更・調整し直すことを指します。ただし正式なビジネス用語ではなく、やや口語的でカジュアルな響きを持つ点には注意が必要です。社内の同僚や親しい間柄であれば違和感なく使える一方、取引先や目上の相手には慎重な表現を選ぶのが無難でしょう。
たとえば「リスケしてもらえますか?」ではなく、「日程の再調整をお願いできますでしょうか?」と伝えるほうが、より丁寧で正式な印象を与えられます。
リスケとドタキャンの違い
リスケとドタキャンはどちらも予定が変更される点では似ていますが、意味合いは大きく異なります。リスケは、決まっていた会議や商談などを「改めて実施することを前提」に日程を組み直す行為です。中止ではなく実施を目指すため、相手に理由を伝えたうえで複数の候補日を提案し、負担をできるだけ減らす配慮が求められます。
一方のドタキャンは「土壇場キャンセル」の略で、約束した予定を直前に取りやめてしまうことを指します。新しい日時を決めずに一方的に中止するため、相手の準備や時間を無駄にし、信用を損なう可能性が高くなります。とくに商談や社外会議などでは、相手側の業務や人員計画に直接支障をきたすため、直前の連絡は避けるべきです。
やむを得ず中止せざるを得ない場合には、早い段階で事情を説明し、可能であれば代替案を提示することが信頼を保つうえで重要です。両者の違いを正しく理解し、状況に応じて適切な対応をとることが、ビジネスパーソンとしての基本姿勢といえるでしょう。
リスケとペンディングの違い
ペンディングは「保留・先送り」を意味し、再設定の期日を決めない状態を指します。対してリスケは「具体的な日時や手順を再設定する」行為で、完了を前提とする点が本質です。
さらに用法にも差があり、リスケは日時や納期など時間軸の調整に使われやすく、ペンディングは案件やプロジェクトといったテーマ単位の扱いで用いられる傾向があります。現場では「一旦ペンディング」といいつつ並行で情報収集を進め、条件が整い次第リスケで再開する運用が適切です。
銀行でのリスケは返済計画の変更・調整を意味する
金融業界でいう「リスケ」は、単なる予定の延期ではなく、借入金の返済条件を見直すことを指します。返済期日の繰り延べや毎月の返済額の一時減額、返済期間の延長などが典型例です。資金繰りが厳しくなった企業や個人が、金融機関と協議して実行可能な返済計画へ調整する際に用いられる言葉であり、単なる支払い先送りとは位置づけが異なります。
もともとは銀行実務の現場で生まれた用語で、その後「予定変更」という意味合いで一般のビジネスシーンにも広がりました。金融用語としてのリスケを理解しておくことで、日常的に使われるカジュアルな「リスケ」との違いがより明確になります。
リスケの言い換えの例
ビジネスの場では「リスケ」という略語をそのまま使うより、状況に応じた正式な表現を選ぶほうが信頼感を損なわずに済みます。取引先や上司など目上の相手に依頼する場合は、まず「日程調整」や「日程変更」といったシンプルで理解しやすい言葉が基本です。会議や打ち合わせの延期をお願いするときには、「スケジュールの再設定」や「予定の繰り下げ」「予定の繰り上げ」といった具体的な言い回しを用いると、調整内容がより明確になります。納期や納品日の調整であれば「納期の再調整」や「納期変更」という表現が適切です。
いずれのケースでも、ただ「変更をお願いしたい」と伝えるだけではなく、変更理由を簡潔に説明し、複数の候補日時や新たな目標日を併せて提示することが重要です。これにより、相手が選択しやすくなり、こちらの都合だけを押し付ける印象を与えずに済みます。
ビジネスにおいてリスケが使われるシーン

よくあるのは会議日時の変更、納期の見直し、面談や採用選考の再設定です。以下からは、場面別に要点と例文を示し、相手に負担を与えない伝え方を整理します。
シーン①:会議・打ち合わせの日程を再設定する場合
会議や打ち合わせの予定を変更する際は、まず「なぜ変更が必要か」を端的に伝えることが最優先です。
そのうえで相手が選びやすいように、複数の代替日時をあらかじめ提示すると調整がスムーズになります。さらに「最終的には相手の都合を優先する」姿勢を一文に添えておくと、急な依頼でも配慮が伝わりやすくなります。
<例文>
| 本日の打ち合わせですが、急な社内対応が入り参加が難しくなりました。 恐れ入りますが、明日14時または16時、もしくは明後日午前のいずれかで再調整いただけますでしょうか。 もし上記が難しい場合は御社のご都合に合わせますので、差し支えのない日時をお知らせください。 |
このように理由、候補日時、相手優先の一言をセットで示すことで、急なリスケでも信頼を損なわずに調整が可能になります。
シーン②:納期を変更してもらう場合
納期のリスケは、会議や打ち合わせ以上に相手の計画や顧客対応に影響を与えるため、早期かつ丁寧な連絡が欠かせません。まず「変更が必要になった背景」を簡潔に示し、どのような影響が想定されるかを率直に共有します。そのうえで、新しい納期の目安とあわせて代替策を提案し、相手が判断しやすい環境を整えることが重要です。
<例文>
| 海外からの仕入れに遅れが生じ、当初ご案内していた納期に間に合わせることが難しくなりました。 品質を確保したうえで確実にお届けするため、翌週水曜の納入へ変更をご相談させてください。 代替案として、初回半量を月曜、残りを水曜に分納する準備も整えております。 どちらがご都合に合うかお知らせいただけますと幸いです。 |
背景の説明と複数案の提示を同時に行うことで、相手が調整しやすくなり、信頼関係を保ちながらスムーズに納期を再設定できます。
シーン③:1on1・面談・採用選考の日程を再設定する場合
1on1や採用面接などの予定を変更する際は、候補者や部下が準備にかけた時間や移動の手間を尊重することが何より重要です。急な変更を余儀なくされた場合でも、可能な限り早く連絡し、事情を簡潔に伝えましょう。そのうえで複数の候補日を示し、相手が調整しやすいよう配慮することが信頼維持につながります。交通費や日程調整に追加の手配が必要になれば、費用や時間の補償についても触れておくと安心感を与えられます。
<例文>
| 明日の一次面接ですが、面接官の出張延長により当初予定の実施が難しくなりました。 大変恐縮ですが、翌週火曜15時または水曜午前のいずれかに変更をご検討いただけますでしょうか。 直前のご連絡となり申し訳ございません。 交通費や時間の再手配が必要な場合は、遠慮なくお知らせください。 |
相手への影響を意識した早めの連絡と候補日や補償の提案を同時に示すことで、急なリスケでも誠意が伝わり、調整を円滑に進められます。
リスケの注意点と基本的なマナー

リスケは予定を変更するだけでなく、相手の貴重な時間を再度確保してもらうお願いです。そのため、場面に応じた言葉遣いから連絡のタイミング、変更後のフォローまで、押さえるべき基本がいくつもあります。以下では、スムーズに調整を進めるために知っておきたい具体的な注意点とマナーを順番に解説します。
略語「リスケ」の使いどころを見極める
「リスケ」は便利な略語ですが、ビジネスの場では使う相手と状況を慎重に選ぶ必要があります。とくに上司や取引先、初めてやり取りする相手に対しては、カジュアルな印象を与えかねません。こうした場面では「日程の再調整」「日程の変更」「スケジュールの再設定」といった正式な表現に置き換えるほうが無難です。
社内であっても、立場に差がある相手や初対面の同僚には、まず丁寧な言葉を使い、信頼関係ができてから略語に切り替える流れが望ましいでしょう。相手がどう受け取るかを考えながら言葉を選ぶことで、やり取り全体がスムーズになります。
変更がわかった時点で即連絡する
予定変更が必要だと気づいたら、その時点でできる限り早く相手に連絡することが何より大切です。連絡が遅れるほど相手は別の予定を組みにくくなり、直前のキャンセルに近い印象を与えかねません。
見込み段階でも「リスクが高いため候補を先に確保させてください」と伝えれば、相手は別の予定を入れやすくなります。変更が正式に決まったときには、その候補をもとに即座に再調整できるため、相手の負担を最小限に抑えられます。
重要なリスケ連絡は口頭を基本に
急な日程変更を伝える際は、まず対面や電話など口頭で知らせることが信頼維持の基本です。メールやチャットだけでは相手がすぐに気づかない恐れがあり、対応が遅れたり誤解を招いたりするリスクがあります。
先に文面で概要を送る場合は「取り急ぎメールをお送りしますので、後ほどお電話差し上げます」と一言添え、送信後に必ず電話で到達を確認すると安心です。とくに緊急時には、まず口頭でお詫びと事情を簡潔に伝え、相手が状況をすぐ把握できるよう配慮します。
そのうえで、メールやチャットには候補日時や影響を抑える具体策を整理して共有しておくと良いでしょう。口頭での誠意ある対応と、文面による詳細情報を組み合わせれば、急なリスケでも相手に不安を与えず調整を進められます。
相手の都合を最優先にしながら具体的な候補日を示す
予定変更を依頼する際は「相手に選んでもらう」姿勢が欠かせません。ただし「いつでも構いません」といった無制限の提案は、かえって相手に負担をかけてしまいます。調整をスムーズに進めるには、自分側で現実的に対応できる日時をあらかじめ絞り込み、2〜3案にまとめて提示することが効果的です。
たとえば「〇日午前・△日午後・×日終日」のように、相手が比較しやすい形で候補を示せば、その場で判断してもらえる可能性が高まり、結果的に調整にかかる時間を短縮できます。複数案を整理して提示すること自体が、相手の都合を尊重しているというメッセージになります。こうした配慮は単なるリスケ対応にとどまらず、取引先や社内メンバーとの信頼関係を長く保つうえでも有効です。
繰り返しのリスケを防ぎ、再発防止策まで示す
同じ予定を何度も組み直す状況が続くと、「この人は計画を管理できない」と相手に不信感を与えかねません。そのため一度リスケをお願いした際は、単に新しい日程を提示するだけでなく、今回の原因と再発防止策をセットで伝えることが大切です。
たとえば「想定以上に資料確認に時間を要したため」と背景を説明し、次回以降は「関係者を追加して承認スピードを上げる」「所要時間を再見積もりして余裕を持たせる」といった、具体的な改善策を合わせて伝えます。こうした説明があることで、相手は単なる言い訳ではなく、今後同じことを繰り返さないための具体的な取り組みだと理解できます。原因の特定と改善策の提示は、信頼回復の第一歩であると同時に、次回以降の予定を安心して受け入れてもらうための欠かせない要素です。
謝意と理由、影響を抑える提案をまとめて伝える
予定変更で相手に負担をかける以上、まずははっきりと謝意を示すことが重要です。「申し訳ありません」と一言添えるだけでなく、変更が必要になった背景を簡潔に伝え、さらに相手への影響を最小限にする具体策を合わせて提示すると理解が得やすくなります。
たとえば「担当者の急な出張が入ったため」と理由を示し、「翌週の火曜15時または水曜午前に変更可能です」と候補日時を提示するとスムーズです。
謝罪・理由・代替案を一度に示すことで、不信感や不満を和らげながら円滑に再調整を進められます。
リスケの会話例とメールの例文

この章では、実際に予定変更を伝える際に使える会話例とメール例文を紹介します。理由や候補日時の伝え方、件名の付け方など基本のポイントを押さえた内容なので、リスケの連絡をする際の参考にしてみてください。
会話例
会話でリスケをお願いする際は、変更が必要になった理由と新たな候補日時をシンプルかつ具体的に伝えることが大切です。
| 「恐れ入ります。 本日の15時打ち合わせですが、緊急対応のため明日10時または16時に再調整をお願いできますか。 直前のお願いとなり申し訳ありません。 難しい場合はご都合に合わせます」 |
メールの例文
メールでリスケを依頼する場合は、あらかじめ複数の候補日時を示しておくのがポイントです。往復のやり取りが増えると相手の負担になるため、一度の返信で調整が済むよう内容をまとめておくとスムーズです。
| 件名:お打ち合わせ日程再調整のお願い〇〇株式会社 △△様 いつもお世話になっております。 □□株式会社の××でございます。 明日14時の打ち合わせにつきまして、社内の突発対応により参加が難しくなりました。 ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。 つきましては、以下の候補で再調整をお願いできますでしょうか。 ① 〇月〇日(火)10:00 – 11:00 ② 〇月〇日(水)16:00 – 17:00 ③ 〇月〇日(木)午前中いずれか 上記が難しい場合は、△△様のご都合に合わせますので候補をお知らせください。 取り急ぎメールにて失礼いたしますが、到達確認のため後ほどお電話差し上げます。 何卒よろしくお願いいたします。 |
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ここまで、リスケを円滑に進めるための意味・マナー・実践ポイントを解説してきました。円滑な再調整を実現するには、迅速な連絡と正確な情報共有を両立できる環境づくりが欠かせません。そのサポート役としておすすめしたいのが、ブルーテック株式会社が提供するビジネスチャットツール『DiSCUS』です。
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まとめ

リスケは、確定した予定を「実施を前提に」再調整する対応であり、ドタキャンや単なる保留とは根本的に異なります。相手に再び時間を確保してもらう行為だからこそ、早めの連絡・複数候補の提示、そして同じ理由で繰り返さないための対策まで一度に伝えることが重要です。
次の商談や打ち合わせで予定変更が必要になった際は、ここで紹介した手順を実際のやり取りに取り入れてください。言葉の選び方から候補日の示し方まで実践することで、相手の信頼を守りながらスムーズな再調整が実現できるでしょう。










