経営者がしてはいけないコミュニケーション|自社を機能的な組織にする方法

経営者がしてはいけないコミュニケーション|自社を機能的な組織にする方法

経営者にとって、コミュニケーションは極めて重要な要素です。社員との良好な関係を築くことが、組織の成功に直結すると言っても過言ではないからです。

コミュニケーションについて考える際、多くの人は「すべきこと」に焦点を当てます。しかし、すべきでないことを避けることも重要です。

本記事では、経営者がしてはいけないコミュニケーションの例を挙げ、自社を機能的な組織にするための方法を紹介していきます。

社員とのコミュニケーションを改善したい方は、ぜひご覧ください。

経営者がしてはいけないコミュニケーションの例

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経営者がしてはいけないコミュニケーションの例として、以下5つを紹介します。

  1. ①軸がブレてしまっている
  2. ②社員の意見を聞く耳をもたない
  3. ③社員を一括りにして考えている
  4. ④そもそも社員と話す機会が少ない
  5. ⑤社員は会社に尽くして当たり前と思っている

①軸がブレてしまっている

軸がブレているとは、経営者が自社のビジョンや目的を明確に示さず、社員に対して不安定なメッセージを発信することなどです。

経営者が進むべき方向性を示さないまま組織を運営すると、社員からの信頼を失ったり組織が混乱したりします。結果としてビジネスに悪影響を及ぼすでしょう。

例えば、経営者が「成長戦略を進めるために、今後は製品開発に注力していく」と社員に語ったとしましょう。しかし、その後数ヶ月もしないうちに「コスト削減に取り組むために、今後は業務プロセスの改善に注力していく」と社員に語り出したらどうでしょうか。

社員は混乱し、経営者であるあなたを信頼できなくなる可能性があります。このように軸がブレてしまうと、社員や顧客からの信頼を失い、ビジネスに悪影響を与えることになるので避けるべきです。

②社員の意見を聞く耳をもたない

社員は現場で働いているため、経営者が気づかないビジネスに関する重要な情報やアイデアをもっていることもあります。しかし、経営者が社員の意見に耳を傾けないと、組織にとって重要な情報やアイデアを見逃すことになります。

これは機会の喪失であり、自社のビジネスにとってマイナスです。

例えば、ある企業が、社員から業務改善のアイデアを募集したとしましょう。しかし、経営者が社員の意見に対して全く耳を傾けず、アイデアを採用しなかった場合、社員は自分たちの意見が重視されていないと感じるでしょう。

モチベーションが低下し、最悪の場合、優秀な社員が離職する可能性もあります。アイディアを採用したり、採用しない場合にはどうして採用しないのか(あるいはできないのか)を説明したりすることが重要です。

意見を聞こうとする姿勢を見せる工夫をしていきましょう。

③社員を一括りにして考えている

経営者が社員を単一のグループとして見て、個々の社員の能力や貢献度を見落としてしまうのも避けるべきです。社員は一括りにされると「私を見てはいないのだ」と感じてモチベーションが低下します。

その人の個性や能力が活かされにくくなり、結果として組織のパフォーマンス低下につながります。

例えば、ある企業が社員に対して研修を実施するとしましょう。しかし、経営者が社員を一括りに見て、研修を全員に対して同じ内容で実施すると、一部の社員にとっては研修が無駄なものになる可能性があります。

すでにスキルをもっている社員からすれば、研修は退屈なものでしかないからです。すべての社員を個別に対応することは難しいものですが、一人ひとりを評価していく姿勢は見せるべきでしょう。

④そもそも社員と話す機会が少ない

経営者が社員と話す機会が少ない場合、社員は自分たちの意見を経営者に伝えられません。自分たちの仕事や業務に対する不満や改善案が反映されないまま、放置されてしまうのです。

また、社員たちは経営者との距離を感じ、会社への愛着や忠誠心が低下することもあります。

そのため、経営者は社員とのコミュニケーションを意識して、積極的に話し合う機会をつくり、社員たちの意見や考えを積極的に受け止めることが重要です。社員たちが意見を言いやすい状態にしていきましょう。

⑤社員は会社に尽くして当たり前と思っている

社員が「会社に尽くすことが当たり前」と考えてしまうと、社員に対して会社への忠誠心を求め過ぎてしまいます。

忠誠心は、時間や労力を犠牲にしてでも、会社のために働くことを自然なこととして捉える働きがあります。そのため、仕事に対する責任感や使命感を強く抱けるのがメリットです。

しかし、その分だけ社員にストレスや過剰な負担を与える危険性もあることを理解すべきです。

経営者は、社員が会社に対する責任感や使命感をもち、自発的に行動することを奨励するのが仕事です。加えて、社員たちが自己実現や成長を追求できるような環境を整備することも必要でしょう。

だからこそ、忠誠心を求めすぎず適度な距離感を保って、社員が自分自身で成長していく意欲を抱けるようにしていきましょう。

社員たちが自分自身の成長を追求できる研修やキャリアアッププログラムを提供し、組織としての成長と個人の成長を両立することが大切です。こうすることで、社員たちは会社に対してより良い結果を出しつつも、自分自身の成長や充実感を得られるようになります。

経営者がコミュニケーションを意識するメリット

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経営者がコミュニケーションを意識するメリットとして、以下3つが挙げられます。

  1. ①価値提供がしやすくなる
  2. ②社内の状況をいち早く知れる
  3. ③離職率が低下する

①価値提供がしやすくなる

経営者が社員と積極的にコミュニケーションをとることで、会社全体が目指していることをより深く理解できます。自社が進んでいく先のことを繰り返し考える機会になり、本来、自社が社会に対してどんな価値を提供しようとしていたのかを思い出せるでしょう。

その結果、やるべきことが明確になってより良いサービスや製品の提供につながります。直接的に社員から聞いた内容だけでなく、社員との関わりを通じて考えるきっかけも得られるのです。

②社内の状況をいち早く知れる

社員たちは現場で働いているため、会社内の問題や課題に対して直接的な知見を持っています。しかし、経営者が現場に足を運ばない場合や社員たちとコミュニケーションを取らない場合、この知見に気づけません。

経営者が社員たちと積極的にコミュニケーションをとることで、社員たちが抱える問題や課題を把握できます。そして迅速に改善策を講じられるでしょう。

改善を繰り返せば社員がより働きやすい環境になり、生産性の向上につながります。

また、社員たちが持つアイデアや提案を収集して活かすことで、会社の業務や製品・サービスの改善に役立てるのもおすすめです。

③離職率が低下する

離職率が低下するというメリットもあります。社員が会社にとどまり続けるためには、会社に対する信頼や忠誠心が必要だからです。

社員が自分たちの声が届かないと感じた場合、やがてモチベーションが下がり、ストレスがたまり、転職を考えるようになります。一方で、社員が経営者や上司と意見を交換できる場があると、会社に対する関心や熱意が高まり、仕事に取り組む姿勢が改善されます。

また、社員が自分たちの意見やアイデアを出しやすい環境があると、新しいビジネスチャンスや改善点が見つかり、会社の成長につながることもあります。社員のアイデアを取り入れて離職を防ぎ、会社の競争力を高めていきましょう。

経営者が社員と信頼関係を築くためにやるべきこと

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経営者が社員と信頼関係を築くためにやるべきコミュニケーションは、以下の3つがあります。

  1. ①話し合う機会をつくる
  2. ②意識的に感謝を伝える
  3. ③名前を呼ぶようにする

①話し合う機会をつくる

経営者が社員と信頼関係を築くためには、まずは話し合う機会をつくることが必要です。社員が自分たちの意見を述べやすい環境を整えることで、社員と経営者の間に信頼関係が生まれ、社員の会社に対する熱意や忠誠心を高めることができます。

話し合う機会をつくるためには、例えば以下のような方法が考えられます。

  • ・定期的なミーティングの設定
  • ・アンケートやフィードバックの設定
  • ・個別面談の実施

定期的なミーティングの設定

経営者と社員が直接話し合う場として、定期的なミーティングを設定しましょう。ミーティングのテーマは、業務内容や会社の方向性など、社員が知りたいと思う内容にフォーカスすることが大切です。

また、社員からの意見や質問に対して経営者が真剣に受け止め、フィードバックを行ってください。社員が自分たちの声が届くと感じられるようになり、社内環境の改善がみられるでしょう。

アンケートやフィードバックの収集

社員からの意見やフィードバックを匿名で収集しましょう。

ミーティングの場などで発言しにくい内容や、発言が苦手な人でも自由に発言できる場所を提供できます。

個別面談の実施

経営者が社員と個別面談を実施することで、社員が自分たちのキャリアや能力、不満や問題点などを直接経営者に伝えられるようになります。

個別面談では、社員の抱える問題や悩みに対して、経営者が具体的なアドバイスを提供したり、社員の成長やキャリアアップのためのサポートを行いましょう。

以上のように、話し合う機会をつくることで、社員との信頼関係を築けます。

②意識的に感謝を伝える

経営者が社員の成果を評価すると、社員にとって大きなモチベーションとなります。経営者は、社員が頑張ったことに感謝を伝えることが重要です。感謝の気持ちを伝えることで、社員は自分の仕事に誇りをもつようになり「より一層、会社に貢献しよう」という気持ちになるからです。

感謝の気持ちを伝える方法は様々あります。例えば、社員に手紙やメールを送る、社員を表彰するなどがあります。また、経営者が直接感謝の気持ちを伝えることも大切です。社員が業務で成果を挙げた場合には、直接褒めることで、社員がやる気をもち続け、次の業務にも前向きに取り組めるようになるでしょう。

③名前を呼ぶようにする

社員は名前を呼ばれると自分が会社の一員であることを実感し、モチベーションがアップします。社員の生産性も高まりますし、コミュニケーションがスムーズになります。

名前を呼ばれることで経営者に対して親近感を抱き、よりオープンに話をするからです。また、社員の個性を尊重し、人格を重んじる姿勢を示すことにもつながります。

名前を覚えることは、初対面の社員とのコミュニケーションにおいても非常に重要です。初対面の場合、名前を覚えることができないと、社員とのコミュニケーションがスムーズに進まず、信頼関係を築けません。社員の名前を覚えることは、経営者にとって非常に重要なスキルのひとつなのです。

名前を覚えて、社員とのコミュニケーションがスムーズにしてみてください。

社員と気軽にコミュニケーションが取れるツール

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社員とコミュニケーションを取りたくても、忙しくて難しい方もいるでしょう。時間を取るのが難しい場合には、ツールの活用がおすすめです。

たとえばビジネスチャット『DiSCUS』を活用すれば、離れた場所からでも社員にメッセージを送れます。メールのように挨拶文などを入れる必要がないので、文章を作成する手間も少ないです。

また、メールとは異なり、社員一人ひとりとの会話の履歴が1画面に表示されるので、個別に対応できるのが魅力です。社員に寄り添う姿勢を伝えられるでしょう。

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まとめ|経営者がしてはいけないコミュニケーションをやめよう

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経営者にとって社員とのコミュニケーションは必要不可欠です。しかし、業務に追われて時間が取れなかったり、問題なく業務が進んでいることに安心したりして、コミュニケーションの機会が少なくなりがちです。

この記事で紹介した方法を取り入れながら、コミュニケーションを深めてみてください。

また、意識するだけでなく、ツールを活用するのもおすすめです。ビジネスチャットのように、手軽で密なコミュニケーションができるツールの導入も検討してみましょう。

ビジネスチャットツールについては以下の記事で取り上げているので、こちらも参考にしてみてください。

>ビジネスチャットとは?導入の目的や注意点を解説

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